青色申告の65万円控除をうけるには?
・青色申告とは
青色申告とは、手間をかけてルールに基づいた記帳をし、キチンとした申告をすることです。(昔は青色の紙を使っていたのでその名残で青色申告といわれています)
国側は、キチンと申告する人を増やしたいので、税制上のさまざまな特典があります。
青色申告ってなに?白色申告との違いがわからない!という方は、基本的な内容を「【確定申告】青色申告と白色申告の違いは?青色申告の特典と受けるための要件について」の記事で解説していますので、まずはそちらをご覧ください。
青色申告の要件
青色申告の特典をうけるためには、以下が必要です。
①青色申告の特典をうけたい年の3月15日までの「青色申告承認申請書」を提出する。
②キチンとした帳簿や書類を保管する。
①青色申告承認申請書の提出
2025年の確定申告(2026年3月15日までに提出する分)で青色申告の特典を受けたい場合、2025年の3月15日までに提出する必要があります。
確定申告時期はバタバタするので、本当に忘れがちです。
おすすめなのは、青色申告してみようかなと思ったその日から申請書を書いてみることです。
青色申告について勉強してから!と思っていると大体動き出せないので。
申請書の書き方は別の記事で解説しています。
②キチンとした帳簿・書類の保管
保管した帳簿のレベルなどに応じて控除額(10万円・55万円・65万円)が決まります。
次の章で解説します。
【青色申告】65万円・55万円・10万円控除の違い
65万円控除を受けるためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
①複式簿記(手間のかかる記帳)
②貸借対照表(資産の状況)と損益計算書(儲けの状況)の作成
③電子申告(紙ではなくパソコンからの申告)※
※③を満たさない場合55万円控除
※申告期限を1日でも過ぎた場合は、10万円控除
①と②は難しいイメージがありますが、会計ソフトで入力すると自動的に満たすことができます。
控除額ごとに必要なものを表にまとめました。

まとめると、
①会計ソフトで入力+パソコンで申告→65万円控除
②会計ソフトで入力+紙で申告→55万円控除
③家計簿レベルのエクセルや手書きの記帳→10万円控除
となります。
結局どれを選べばいいの?
今、白色申告の方は「青色申告承認申請書」を必ず出して、青色申告者になりましょう。
白色申告でいることのメリットがゼロだからです。(詳しくは「【確定申告】青色申告と白色申告の違いは?青色申告の特典と受けるための要件について」の記事で解説しています)
その上で、どの控除額選べばよいか考えてみました。
10万円控除を選んだほうがいい方
・数字も見たくない!経理をするぐらいなら少しぐらい損してもいい!
・所得が小さい方(目安は所得300万円程度)
・副業として事業を行っている方(経理する余裕がないと思いますので)
65万円控除を選んだほうがいい方
・苦手だけど会計ソフトを使えば経理できそうかも。(またはパソコン操作に抵抗ない方)
・所得が大きい方または、事業を拡大していこうと考えている方
・本業として事業を行っている方
ざっくり計算してみました。
●所得(収入-経費)300万円の人が青色申告特別控除(10万円・65万円控除)を受けた場合。
〈65万円控除〉
・所得税、住民税→37万円
・国民健康保険料→23万円
・合計→60万円
〈10万円控除〉
・所得税、住民税→48万円
・国民健康保険料→29万円
・合計→77万円
※国民年金はどちらを選んでも変わりません。(年間約20万円)
所得300万円の方であれば、65万円控除を受けると10万円控除に比べ、約17万円おトクになります。(所得1,000万円で約31万円おトクです)
本業として事業をやっている方であれば、当然所得を上げていきたいと思うので、早めに65万円控除のやり方に慣れておくのがいいと個人的には思います。
まとめ
青色申告の65万円控除はかなり魅力的ですよねー。
本記事のポイントは以下のとおりです。
①会計ソフトで入力+パソコンで申告→65万円控除(本業の方におススメ)
②会計ソフトで入力+紙で申告→55万円控除
③家計簿レベルのエクセルや手書きの記帳→10万円控除(副業の方におススメ)
本業として所得が大きくなれば65万円控除を受ける必要が出てくるので、今のうちから経理の苦手意識を克服していきましょう!