ミニ税法を選択した方がいい人

私は、1年目に簿記論、2年目に財務諸表論、3年目に酒税法(見込み)を合格し、税法免除大学院へ通学しています。

今回は、税法の選択科目でミニ税法を選択すべき人や、私がミニ税法(酒税法)を選択した理由についてお話しします。

TAC税理士試験の試験制度から引用

税理士受験生の種類

まず税理士受験生は、次の三つに分類されると考えています。

  1. 税法の専門力をつけるため、メインの税法に合格し、いずれ税理士になりたい。
  2. 税理士にできるだけ早くなりたいけど、どうせなら実務で使う科目で合格したい。
  3. とにかく1年でも早く税理士になりたい。

1はとにかく税法に詳しくなるため、合格して税理士となれば、どこに努めても重宝されるでしょう。大企業の高度な税務なども積極的に任されるでしょう。
2は一番割合が多いと思いますが、税理士になることが一番の目的だけど、どうせ勉強するなら役に立つ科目を選びたいという考え方。
私は、税理士を目指した時から断然3のとにかく1年でも早く税理士になりたいでした。

ミニ税法を選択すべき人

ミニ税法を選択すべき人は、3の”とにかく1年でも早く税理士になりたい”という方のみです。

2の方は、実務で使う科目を受験した結果6年かかる場合と、ミニ税法を受験して4年で合格する場合であれば、後者を選ぶ方が多いのではないかと感じています。
なぜなら、4年で合格してしまえば、残り2年でやりたい勉強を思う存分にできるからです。
潜在的には3の方も多いのではと思うので、そのような方もミニ税法を検討してみる価値はありそうです。

もう一つ大事なことが、ミニ税法を選択したことにコンプレックスを持たないことが条件です。

ミニ税法に合格して税理士になったからといって、官報合格の方を必要以上に崇めたり、自分にコンプレックスを抱く必要はありません。後々で勉強してカバーすればいいことです。
少しでもそう感じてしまうのであれば、後々後悔してしまう危険があるので、自分が誇れると思う科目を受験しましょう。

また、ミニ税法を選んだ結果、勉強時間が減り、その分怠けてしまう時間が増えるようであれば、あえて勉強時間が少ないミニ税法を選ぶ必要はないとは思います。

私がミニ税法を選択した理由

私は、2022年に公務員を退職する際、遅くても「5年以内に税理士登録」するという目標を掲げ、3年以内に3科目に合格し2年の大学院を経て登録することを計画していました。

その間実務をやっている中で、消費税法の知識が必要であると感じ、消費税法を受験しようとしたことがありました。これは、消費税法が会計科目合格者が最初に選ぶ科目であると噂されていたため、1年でも早く税理士になれてさらに実務で役立つとあれば消費税法以外選択の余地なしと考えていました。

ただし、様々な方々の情報を聞いている中で、法人税や消費税法に何年も挑戦している方、はたまたミニ税法でも何年も不合格が続く方もいることを知りました。

「結局合格しやすい科目なんてないのでは」

これが私の結論でした。

どれを選んだとしても、合格の可能性が変わらないとすれば、より勉強時間が短い科目を選択し、他の科目の勉強に割く時間を増やしたり、仮に何年かかかったとしても、”総勉強時間”は少なくて済むのではと考えました。

例えば、法人税を選んだ場合一年で1,500時間勉強するとすれば、3年かかれば4,500時間です。酒税法であれば、一年で300時間勉強すれば、3年かかっても900時間という考えです。(実際酒税法は、2年で500時間程度の勉強時間でした)

これは、結果論ですが、ボリュームの少ない科目を選択したことで、2年目は財務諸表論に集中でき、3年目も大学院と並行しながら合格に近づくことができました。

ミニ税法は楽だけど簡単でない

これは、ミニ税法を選ぶうえでの最大の注意点です。

結論、ミニ税法は”楽”であり”簡単”ではありません。

具体的にいうと、”総勉強時間”が少なく済むだけで、”合格可能性”が高いわけではないということです。

例えば、消費税と酒税法を比較すると、結局どちらもケアレスミスが命取りです。
(ケアレスミスというミスはないという考えなので、この言葉を使いたくないですが、今回はわかりやすくこの表現を使います)

どんなに詰め込んで勉強してどの受験生より上位に居たとしても、本番の試験でミスをすればどちらも合格できません。

税理士受験生であれば理解してもらえると思いますが、試験のうち4割程度は内容理解ですが、残り6割は、暗記作業とミスをしないためのトレーニングと考えています。(下手したら3:7かもしれません)

ミスをしないトレーニングに割く時間がミニ税法の方が、必要な時間が少ないというだけです。

勉強時間が少なく済み、暗記量もさほどないため、資格のための勉強は最小限にして仕事に打ち込みたい方や、プライベートや他のことを充実させたい方には、とてもおすすめです。

前述しましたが、ミニ税法を選んだからと言って合格する確率が上がるわけではないので、そこの点だけ注意して税法科目を選択するようにしましょう。

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